『リアリティ・フラクチャー』のプレミア・ドラフトは、近年のリミテッド環境と比較してもゲームの決着が遅く、コントロールやランプといった重量級のデッキも活躍できる環境です。
今回の記事では、プレミア・ドラフトの勝率データをもとに、環境の特徴や強い色、各色の注目カード、ドラフトで意識したいポイントを解説します。
特に重要なのは、カードを引いてアドバンテージを稼ぐことと、長期戦を見据えたデッキ構築です。これまでのリミテッドとは異なるゲーム展開を理解して、ドラフトの勝率アップにつなげましょう。
リアリティ・フラクチャーのドラフト環境
平均決着ターンは約9.8ターン
『リアリティ・フラクチャー』の大きな特徴は、ゲームの決着が遅いことです。
平均決着ターン数は約9.8ターン。直前のセットである『ホビット』の約8.6ターン、一般的なセットの平均である約9ターンと比較しても、長期戦になりやすい環境となっています。
そのため、以下のような戦略が成立しやすくなっています。
- アグロ:序盤から攻め、相手が態勢を整える前に勝負を決める。
- ミッドレンジ:序盤をしのぎながら、カードの質で優位に立つ。
- コントロール:除去や打ち消しで相手を抑え、カード・アドバンテージで勝つ。
- ランプ:マナを伸ばし、重いカードや強力なフィニッシャーにつなげる。
特に注目したいのは、アグロだけでなく、ゲームを長引かせるデッキも十分に成立することです。
ただし、ゲームが遅いからといって、クリーチャーが不要になるわけではありません。相手のプレインズウォーカーを攻めたり、自分のプレインズウォーカーを守ったりするためにも、盤面に干渉できるクリーチャーは重要です。
先手の勝率は52.3%
平均決着ターン数が長い環境では、先手と後手の勝率差が小さくなることも考えられます。
先手の勝率は52.3%。ゲームが長引く環境でありながら、先手の優位性はほかのセットと同程度に維持されています。
その理由の一つとして考えられるのが、プレインズウォーカーの【理論家、ジェイス・ベレレン】を巡る攻防です。
相手のジェイスを攻撃して忠誠度を削ることは、プレイヤー本体へのダメージを防ぐことにもつながります。こうした攻防がゲーム展開に影響するため、単純に決着が遅いだけでは先手の優位性は失われません。
最も勝率が高い色は青
今回のプレミア・ドラフトで、特に注目したいのが青です。
青だけが平均以上の勝率を記録しています。ほかの色も極端に弱いわけではありませんが、青を含むデッキが上位に入る結果となりました。
青が強い理由として、次のポイントが挙げられます。
- カードを引いて手札を補充できる。
- 打ち消しで相手の強力なカードに対処できる。
- ゲームが長引くほど、カード・アドバンテージを活用しやすい。
- 飛行クリーチャーなどでプレインズウォーカーを攻めやすい。
特に重要なのが、ドロー呪文の価値です。
ゲームが長引く環境では、手札の枚数や選択肢の多さが勝敗に直結します。単純にクリーチャーを展開するだけでなく、カードを引いてリソースを確保できるデッキが有利になりやすいのです。
白青が特に優秀
青を含むデッキの中でも、白青は特に優秀な組み合わせとして紹介されています。
白青は飛行クリーチャーによる攻撃性能が高く、相手のプレインズウォーカーにプレッシャーをかけやすいことが強みです。
一方、青を中心としたコントロール系のデッキも有力です。
ただし、同じ青を使う場合でも、デッキの速度や役割によって必要なカードは変わります。白青なら攻める手段を確保し、コントロールならドローや打ち消しで長期戦を戦える構成を目指しましょう。
2色デッキと3色デッキ、どちらを選ぶべき?
『リアリティ・フラクチャー』では、ほかのセットと比較してタッチがしやすく、3色デッキも選択肢になります。
ただし、3色にすれば必ず勝率が上がるわけではありません。
3色デッキは強力なカードを追加できる一方、必要な色のマナを引けず、カードを使えないリスクがあります。
アグロなら2色にまとめる
アグロデッキでは、序盤から安定してクリーチャーを展開できることが重要です。
色を増やすことで序盤の動きが不安定になると、攻撃性能を十分に発揮できなくなってしまいます。
基本的には2色にまとめ、序盤の展開を安定させることを優先しましょう。
また、クリーチャーを並べるだけでなく、複数のトークンを生成するカードなど、相手の単体除去1枚では対処しにくい要素を取り入れることも有効です。
コントロールやランプならタッチを検討する
一方、コントロールやランプのようにゲームを長引かせるデッキでは、タッチによってデッキを強化できる可能性があります。
多少マナ基盤が不安定になっても、強力な除去やフィニッシャーを追加する価値があるためです。
ただし、タッチするカードは厳選しましょう。色を増やすこと自体を目的にするのではなく、デッキの弱点を補えるカードや、ゲームを決定づけるカードを優先することが大切です。
各色の注目カードと特徴
白:除去と盤面に残るリソースが重要
白では、除去に加えて、複数のトークンを生成するカードが注目されています。
特に【ヘクスヘイヴン大隊】は、2/2のクリーチャー・トークンを3体生成できるカードです。さらに、ジェイス付与2と基本土地サイクリングも持っています。

1枚から複数のクリーチャーを展開できるため、相手の単体除去に対して強いことが魅力です。6マナと重いものの、アグロやミッドレンジの終盤の選択肢としても検討できます。
また、【気前のよい蘇生】は、墓地のマナ総量3以下のクリーチャーを追加の+1/+1カウンター付きで戦場に戻せます。フラッシュバックも持っているため、長期戦でのリソース確保に役立ちます。

レアでは【同族の審判】が注目カードです。クリーチャー・タイプを1つ選び、それ以外のクリーチャーをすべて破壊します。

盤面を大きく変えられる全体除去であり、自分が選んだタイプのクリーチャーを残せる可能性があります。盤面次第では、一気に有利な状況を作り出せるカードです。
青:ドローと打ち消しが環境を支える
青は今回の環境で最も注目したい色です。
カードを引く呪文や、相手の強力な呪文に対処するカードが高く評価されています。
- 【弟子の覚醒】
- 【スフィンクスの接近】
- 【極端な迷い子、フブルスプ】
- 【対抗刻彫】
- 【理論家、ジェイス・ベレレン】
【弟子の覚醒】は、ジェイス付与6を行い、カードを1枚引くソーサリーです。ジェイスを強化しながら手札も補充できます。

【スフィンクスの接近】は、カードを2枚引くインスタントです。さらに、同名カードを墓地に集めることで、ライブラリーからスフィンクス・クリーチャーを直接戦場に出す能力も持っています。

【極端な迷い子、フブルスプ】は、対戦相手に戦闘ダメージを与えた際にカードを2枚引けるクリーチャーです。攻撃を通せれば、大きなカード・アドバンテージを獲得できます。

【対抗刻彫】は、追加コストの条件を満たして呪文を打ち消しながら、ジェイス付与1を行えます。

そして、神話レアの【理論家、ジェイス・ベレレン】も強力です。対戦相手のドロー・ステップにカードを引く能力に加え、クリーチャー・トークンの生成や、相手のパーマネントを手札に戻す能力を持っています。

青を使う場合は、ドローでリソースを確保し、打ち消しやバウンスで相手の動きを抑える構成を意識しましょう。
黒:強力な除去とアドバンテージ
黒は、強力な除去やアドバンテージを得られるカードが魅力です。
特に、クリーチャーやプレインズウォーカーに対処できる除去は、相手の強力なカードを処理するうえで重要になります。
レアでは【多元宇宙の上書き】が注目カードです。クリーチャーやプレインズウォーカーを処理しながら、自分だけがアドバンテージを得られる強力なカードとして紹介されています。

黒を使う場合は、除去だけでなく、手札や墓地を活用して長期戦を戦える構成を目指すのもよいでしょう。
赤:複数のリソースを生み出すカードに注目
赤では、単純な攻撃性能だけでなく、複数のリソースを生み出せるカードが注目されています。
1枚で複数のカードやパーマネントに相当する働きをするカードは、相手の除去と交換しても損をしにくく、ゲームが長引いた際にも役立ちます。
神話レアの【容赦なきアジャニ】は、特に高く評価されているカードです。

忠誠度能力を起動するたびに2/2のクリーチャー・トークンを生成できるほか、全体強化や手札の入れ替え、クリーチャーへのダメージなど、複数の役割を担えます。
赤を使う場合は、序盤から攻める構成だけでなく、カード・アドバンテージを稼ぎながら強力なカードで勝つ構成も意識したいところです。
緑:ランプ戦略と重量級カード
緑は、マナを伸ばしてゲーム後半に強力なカードを使う戦略と相性のよい色です。
【獣の乱入】は、トランプルを持つ4/4のビースト・クリーチャー・トークンを生成するソーサリーです。さらにフラッシュバックも持っているため、墓地から再び唱えられます。

1枚で複数回にわたってクリーチャーを展開できるため、長期戦で頼りになるカードです。
また、神話レアの【呪い破り、ガラク】も注目カードです。パワー4以上のクリーチャーが戦場に出るたびにカードを引けるほか、土地をアンタップしたり、4/4のビースト・トークンを生成したりできます。

マナを伸ばす戦略とカード・アドバンテージを組み合わせられるため、重量級のデッキで活躍が期待できます。
多色カード:カードの強さとデッキの相性を重視
多色カードでは、ドロー能力を持つカードや、長期戦を支えるカードが注目されています。
赤緑のランプ戦略を支えるカードや、コントロール・墓地活用デッキのフィニッシャーとなるカードも高く評価されています。
多色カードを採用する場合は、カード単体の強さだけでなく、デッキのゲームプランに合っているかを考えることが大切です。
特に、3色目をタッチする場合は、マナ基盤への負担に見合うだけの価値があるかを見極めましょう。
無色:長期戦を支えるカードを確保する
無色のカードでは、全体除去やドロー能力を持つカードが注目されています。
ゲームが長引きやすい環境では、終盤にも役立つ能力を持つカードの価値が高まります。
また、アーティファクトに対処できるカードも一定の価値があります。無色のカードは色マナの制約を受けにくい一方、採用するカードによってはマナ・コストが重くなるため、デッキ全体のバランスを考えて選びましょう。
ドラフトで意識したい3つのポイント
① ドロー呪文を軽視しない
今回の環境で最も重要なポイントの一つが、ドロー呪文の価値です。
ゲームが長引くほど、手札の枚数や選択肢が重要になります。クリーチャーや除去だけを優先するのではなく、継続的にカードを引ける手段も確保しましょう。
特に青を含むデッキでは、ドローと打ち消しを組み合わせることで、相手より多くの選択肢を持ちながらゲームを進められます。
② デッキの速度に合わせて構築する
ドラフトでは、色の強さだけでなく、自分のデッキがどの速度で戦うのかを意識することが重要です。
アグロなら序盤の安定性を優先し、コントロールやランプなら長期戦を戦えるカードを確保しましょう。
強いカードを詰め込むだけではなく、デッキ全体の役割がかみ合っているかを確認することが大切です。
③ タッチと重いカードを検討する
今回の環境では、タッチによってデッキを強化する戦略も有効です。
特に、デッキの速度が遅く、ゲーム後半まで戦う構成であれば、強力な除去やフィニッシャーを追加する価値があります。
また、5マナや6マナのカード、単体除去1枚では対処しにくいカードも、ゲームを決定づける選択肢になります。
ただし、重いカードを増やしすぎると序盤に何もできない展開も起こります。マナを伸ばす手段や序盤をしのぐカードと組み合わせ、無理のない構成にすることが大切です。
まとめ:青が有力だが、デッキの完成度も重要
『リアリティ・フラクチャー』のプレミア・ドラフトは、ゲームの決着が遅く、コントロールやランプも十分に成立する環境です。
今回の分析から、特に意識したいポイントを整理します。
- 青は平均以上の勝率を記録しており、特に有力な色。
- 白青は飛行クリーチャーなどを活用し、プレインズウォーカーを攻めやすい。
- ドロー呪文やカード・アドバンテージを得られるカードが重要。
- アグロだけでなく、コントロールやランプも有力な選択肢。
- アグロは2色で安定性を重視し、遅いデッキはタッチを検討する。
- ゲームが長引くことを想定し、重いカードや強力なフィニッシャーも確保する。
青が強い環境ではありますが、ほかの色やアーキタイプとの勝率差が極端に大きいわけではありません。色の強さだけに頼るのではなく、デッキの速度、マナ基盤、カード同士のシナジーを意識することが重要です。
『リアリティ・フラクチャー』では、序盤の展開だけでなく、中盤以降にどれだけ強い動きを続けられるかも意識してドラフトしてみましょう。
